就職活動中の4年制大学生で、大人気企業【松竹株式会社】へ応募するためにエントリーシートや志望動機の内容に悩んでいる方はいませんか?
- 東宝と東映とどう違うかわからない
- 事業内容はほとんど同じじゃないの?
- 競合2社と比べて強みは何か知りたい
という方に向けて
歌舞伎座(東京・銀座にある大劇場)の元大道具であり、映像業界で元アシスタントディレクターとして働いていた私が解説します。
大学生では気づきにくい4つを説明します。
- 歌舞伎の独占
- 小津安二郎作品の配給
- 客単価が高い
- 劇場という、観光スポット(文化)をもっている
企業理念や決算情報、求める人物像など誰もが調べる基本的な情報は、必ずご自分で調べて頭に叩き込んでください。
この記事では、基本的な内容は解説しません。
強みは4つ!
- 歌舞伎の独占
- 小津安二郎作品の配給
- 客単価が高い
- 劇場という、観光スポット(文化)をもっている
歌舞伎の独占
国内公演、海外公演、映画館での上演やネット配信など『歌舞伎に関わるビジネス』には、全て松竹が関わっていると考えて問題ありません。
世界シェア100%です。
ここをアピールしない手はないでしょう。
また、松竹は歌舞伎と全く違うジャンルを結びつけた新しい舞台演劇づくりに強いのです。
例えば、スーパー歌舞伎が有名です。
歌舞伎は映像で楽しむことができるのです!
アマゾンプライムにもありますから、必ず歌舞伎鑑賞しておくようにしましょう。
小津安二郎作品の独占
映画に関しては、トレンドは一切ない長期的な安定収入が見込めると考えられます。
ここはマニアックな部分です。
日本3大巨匠の一人、小津安二郎作品の配給権(上映する権利)を事実上、独占しています。
(日本3大巨匠とは、小津安二郎、黒澤明、溝口健二)
現存する彼の作品のうち、ほとんどを松竹が所有しています。
世界中で配信と販売されていますので、世界中から、使用料が入ってきます。
客単価が高い
客単価とは、『顧客一人が一回の購買で使う金額の平均』を指します。
そのため、少数の常連客のみの売り上げでも経営が成り立ちます。
観劇チケットは、映画チケットと比べるととても高額です。
一番安い座席で9800円など、高額な公演があります。
歌舞伎に限らず、演劇を観るにはお金がかかるのです。
映像作品は、幅広い年齢層のお客様に対して、誰にでもわかりやすい作品を届ける芸術です。
歌舞伎は、一部のマニアックなお客様に作品を届ける芸術と考えて問題ありません。
欠点として、収益に占める演劇事業の割合が大きく、コロナの大流行の影響で大損失をだしました。
劇場という、観光スポット(文化)をもっている
大劇場は、観光スポットとなることで多大な社会貢献できる建造物です。
私は、歌舞伎座で大道具をしていましたが、外装も内装も素晴らしい建物です。
(ここからは伝わらない話ですが、舞台も奈落も見事です。
奈落は日本最大規模の体積をもつ舞台です。)
映画館が老朽化した場合、全部を取り壊して作り直すのが普通です。
ところが、歌舞伎座や大阪松竹座の場合は違います。
歴史を守るため、一部をそのままに、なるべく原型をとどめるように改修します。
『未来に残る歴史建造物を所有し、日本文化を築いている』部分は、強調すべきポイントです。
東宝と東映との共通点
- 福利厚生の充実
- 不動産事業
- 映像事業
福利厚生の充実
3社とも充実していますので、大きな違いは見当たりません。
不動産事業
東京や京都に撮影所を所有していたり、劇場や映画館を所有していたりしますが、このあたりをエントリーシートや履歴書の志望動機に書くことは難しそうです。
私は日商簿記2級所持者で、会社の財務諸表を理解することは十分にできます。
それでも自信がありません。
映像事業
映画の製作・宣伝・配給・海外からの買い付け、アニメの制作と配信を行なっています。
この部分を大学生が細かく分析して、エントリーシートや履歴書に書くことには無理があります。
プロとしての経験が必要です。
商業映画の制作に関わったことがある方は別ですが、大部分の方にはできません。
転職の時に考えるべきポイントです。
東宝と東映との違い
東宝との違い
- 東宝の売上高は業界トップ
- 映画を海外との共同制作
- 海外ミュージカルを数多く上演している
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東宝の売上高は業界トップ
松竹は、演劇事業に力を入れていますので、コロナの大流行の影響で公演中止が相次ぎ、大損失をだしました。
東宝は所有する映画館の数(スクリーン数)が多いので、映画チケットという安い客単価(顧客一人が一回の購買で使う金額の平均)で大量のお客様を集客することが得意といえます。
映画を海外との共同制作
海外とのコラボレーションは、松竹にはみられません。
海外ミュージカルを数多く上演している
松竹も海外ミュージカルを主催したことはありますが、東宝に比べると圧倒的に小さい比重です。
【RENT】や【ジキルとハイド】など、すぐに思いつくブロードウェイミュージカルを数多く主催しています。
これは、所有する映画館の数(スクリーン数)が日本一であることと大いに関係しています。
松竹は、歌舞伎と全く違うジャンルを結びつけた新しい舞台演劇づくりに強いのです。
東映との違い
- 東映は『映像』に特化している
- 特撮の最大手
- キャラクターショーなどのイベント開催実績は業界トップシェア
- 教育機関や公共機関に教育映像を制作している
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東映は『映像』に特化している
東映は、舞台演劇事業を行なっていません。
そのため、映像制作の不動産(撮影所など)と映画館などを所有して投資しています。
コロナの流行で、演劇事業を行なっている他2社は大打撃を受けました。
特に松竹は大きく売り上げが下がりました。
東映は、大打撃を受けずに、堅実な経営を続けています。
特撮の最大手
東映は、『戦隊シリーズ』や『怪獣映画』などを特撮(特殊撮影技術のこと)の制作会社として最大手です。
事実上の独占です。
代表的な作品が【仮面ライダーシリーズ】ですね。
一般の方々も、我々業界人も、「特撮は東映」という強烈なイメージがあり、まずは東映にオファーをかけます。
すぐに思いつくヒーローものは、全て東映が権利をもっていると考えてほぼ間違いありません。
そして、この強みが次の強みへとつながります。
キャラクターショーなどのイベント開催実績は業界トップシェア
主に子供向けになりますが、キャラクターショーなどのイベント開催実績は業界トップシェアです。
繰り返しですが、すぐに思いつくヒーローものは、全て東映が権利をもっていると考えてほぼ間違いありません。
ですので、自然と業界トップシェアになります。
教育機関や公共機関に教育映像を制作している
学校教育や交通安全など教育映像を制作していて、こちらも業界トップシェアです。
松竹にこのような特徴はみられません。
松竹株式会社Webサイト
インターンシップ(職業体験)あり
0次選考とも言われるインターンシップ(職業体験)を募集していますから、こまめにチェックして応募しましょう。
たとえ落選しても、問題はありません。
とにかく行動しましょう。
コロナの感染状況を考え、募集しない場合もあり得ます。
YouTubeでも勉強しろ
Webサイト上の文字の勉強だけではなく、動画でも企業研究をしましょう。
- meta歌舞伎(メタかぶき)
- 超歌舞伎(ちょうかぶき)
- 図夢歌舞伎(ズームかぶき)
- 採用担当のインタビュー
などがアップロードされています。
全て確認しましょう。
検索すればすぐ見つかるので、必ず予習しましょう。
まとめ
最大の強みは、歌舞伎事業の独占です。
歌舞伎を観たことない人は、DVD販売や映像配信がありますから、手軽に安く楽しめます。
必ず歌舞伎鑑賞しておくようにしましょう。
東宝と東映との共通点は、
- 福利厚生の充実
- 不動産事業
- 映画の製作・宣伝・配給・海外からの買い付け
ですから、強調しない方が無難だと考えられます。
企業研究に必要な基本情報は、必ずご自分で調べて頭に叩き込んでください。
エンターテインメント業界へ就職を目指す大学生にとって、この記事がESや履歴書、面接対策の内容を充実させる手助けになれば幸いです。
以上、「歌舞伎の元大道具が松竹を企業研究しました!強みは4つ」でした。