宝塚歌劇団と劇団四季は、日本のミュージカル界を代表する二大勢力です。
ミュージカルが好きな方は、
と疑問を抱きますよね。
優劣はありませんし、それぞれ魅力的な部分がたくさんあります。
大きな違いは5つ!
- 宝塚は新作が多い
- 宝塚は俳優を売る
- 宝塚は男役が中心
- 劇団四季は演目を売る
- 劇団四季の方が公演数が多い
宝塚歌劇団の俳優が全員女性なのは、ご存知の通りですので解説を省略します。
元劇団四季の技術スタッフだった著者が、東宝ミュージカルとホリプロステージとの違いも解説します。
宝塚と劇団四季を徹底比較!元スタッフが違いをまとめました
宝塚は新作が多い
宝塚は新作が多いですが、劇団四季は過去の作品の再演が中心です。
宝塚は頻繁に映画を舞台化します。
例えば、「RRR」や「記憶にございません!」が有名ですし、トップスターに合わせたショーもあります。
「ベルサイユのばら」や「エリザベート」の再演もありますが、新作の方が多い印象です。
繰り返しですが、宝塚は新作が多く、劇団四季は過去の作品の再演が中心です。
宝塚は俳優を売る
宝塚はお客様に俳優を、特にトップスターを売るビジネスです。
今後の上映演目の予定を公表する際、演目名と出演俳優を必ず発表します。
極端ですが、トップスターの存在を目立たせればいいので、演目はなんでもいいのです。
トップスターに合わせた特別なショーがありますし、新人公演もあるくらい、俳優を推すスタイルです。
繰り返しですが、宝塚はお客様に俳優を売るビジネスです。
宝塚は男役が中心
宝塚で上演される演目では、男役を中心にする脚本が非常に多いです。
娘役のトップスターやその他の女性役は、男役を引き立たせる存在として描かれていることが多いですね。
劇団四季は演目を売る
劇団四季は、お客様に演目を売るビジネスです。
海外作品を日本で上演可能にすることを主軸にしてるので、版権売買を行い、俳優を売りません。
俳優はテレビやCMに出演しないので、コアなファンでないと俳優の名前はわかりません。
出演俳優も公表しません。
例えば、1つの演目で俳優が頻繁に変わります。
全員でなく、一部ですが、入れ替わりがある仕組みです。
今週のキャスト表は劇場に行けばもらえますが、ウェブサイトで発表はされていませんし、来週の予定は発表しません。
また、今後の演目予定を発表する際、出演予定の俳優を公表しません。
繰り返しですが、劇団四季はお客様に演目を売るビジネスです。
劇団四季の方が公演数が多い
公演数を比べると、宝塚より劇団四季の方が年間の公演数が多いです。
劇団四季の公演回数は、年間2,900回ほどですが、宝塚は年間900回ほどです。
なぜなら、劇団四季は演目の入れ替わりが少ないため、公演を止める期間が短いからです。
宝塚は新作が多いため、入れ替わりが多く、公演を止める期間が長くなります。
また、宝塚では公演日程の見直しを発表することがあることも理由です。
繰り返しですが、宝塚より劇団四季の方が年間の公演数が多いです。
共通点が多い!宝塚 vs 劇団四季
舞台装置や音楽
大道具や衣裳、欠かすことのできない音楽は、どちらも素晴らしいものばかりです。
どちらの劇団も、スタッフとデザイナーが優秀で充実していますので、違いはありません。
パフォーマンスのレベル
ダンスや歌唱力は同レベルです。
なぜなら、元タカラジェンヌが劇団四季に入団しているからです。
劇団四季の俳優には、宝塚歌劇団を退団後、あるいは宝塚歌劇団への入団を目指していた方が方向転換して劇団四季に入る女性がいます。
どちらもダンスや歌唱力は高いレベルを求められるので、同レベルになるのです。
ミュージカルが中心
歌とダンスがない芝居だけの演劇を、「ストレートプレイ」と言いますが、どちらの劇団もミュージカルが中心です。
劇団四季でストレートプレイが上演されることが、たまにあります。
例えば、「エクウス」が有名ですが、もう何年も上演されていません。
非常に珍しいと言えます。
繰り返しですが、どちらの劇団もミュージカルが中心です。
チケット料金
どちらの劇団も、演目、席種、公演日時によってチケット料金が変わります。
一番高い席で13,000円前後、一番安い席で5,000円前後と考えましょう。
例えば、劇団四季の「アナと雪の女王」では、一般席の一番高い席で14,500円、宝塚歌劇場の一番高い席で12,500円です。
どちらも、ずば抜けて高くありませんよね。
オペラやバレエ公演では、一番安くて19,800円という演目もありますので、現実的な値段だと言えます。
繰り返しですが、どちらの劇団も、演目、席種、公演日時によってチケット料金が変わります。
東宝ミュージカルと特徴
俳優を売る
宝塚との共通点で、俳優を売ります。
なぜなら、テレビや映画で活躍する芸能人を出演させるからです。
例えば、代表作である「レ・ミゼラブル」には、生田絵梨花さんや六角精児さん、斎藤司さんなど、吉本の芸人さんも出演しています。
今後の上映演目の予定を公表する際、演目名と出演俳優を必ず発表します。
テレビや映画で見かけない俳優も、たくさん出演します。
繰り返しですが、東宝ミュージカルでは俳優を売ります。
アニメの舞台化に強い
アニメ事業に力を入れています。
なぜなら、東宝の経営戦略の1つに、アニメ事業を柱にすることが明記されているからです。
例えば、漫画が原作の「呪術廻戦」をアニメ化して映画化して、舞台化したことで有名です。
アニメ以外の作品もありますが、戦略的にはアニメの比重が重いと言えます。
繰り返しですが、アニメ事業に力を入れています。
海外作品の充実
劇団四季との共通点で、海外作品が充実しています。
例えば、「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」などが有名です。
「千と千尋の神隠し」を舞台化して、ロンドン公演を行ったことでも知られています。
ホリプロステージと特徴
俳優を売る
宝塚との共通点で、俳優を売ります。
なぜなら、テレビや映画で活躍する芸能人を出演させるからです。
例えば、代表作である「ハリー・ポッターと呪いの子」には、数多くの芸能人が入れ替わりながら出演しています。
今後の上映演目の予定を公表する際、演目名と出演俳優を必ず発表します。
テレビや映画で見かけない俳優も、たくさん出演します。
繰り返しですが、ホリプロでは俳優を売ります。
芸能事務所である
ホリプロは芸能事務所の大手です。
俳優、アイドル、子役など、豊富なキャストを自社で用意することができます。
ストレートプレイ
ストレートプレイが有名です。
例えば、故・蜷川幸雄さんのシェークスピア劇の主催はホリプロです。
劇団四季も宝塚も東宝も、ミュージカルが中心なイメージですが、ホリプロはストレートプレイが充実した印象を受けます。
まとめ
宝塚歌劇団と劇団四季の違いは、大きく5つです。
- 宝塚は新作が多い
- 宝塚は俳優を売る
- 宝塚は男役が中心
- 劇団四季は演目を売る
- 劇団四季の方が公演数が多い
ご存知の通り、宝塚の俳優は全員女性ですが、劇団四季は男女混合です。
この記事が、宝塚歌劇団と劇団四季の違いを知りたい方の役に立つと嬉しいです。
以上、「宝塚と劇団四季を徹底比較!元スタッフが違いをまとめました」でした。