知らないと就職できない!東宝・東映・松竹の違いを比較

新卒採用

東宝・東映・松竹への応募を考えている就活生のために、それぞれの特徴と強みを知りたい方に、元映画スタッフが解説します。

  • 3つ全てに応募したいけど、履歴書が似た内容になってしまう
  • エントリーシートの内容も似た内容になってしまう
  • ぶっちゃけ内容も強みも全部同じじゃないの?
  • 面接で細かい部分を聞かれたらどうしよう?
  • どれに就職しても同じではないか?

エントリーシートや履歴書を書く際の、よくある悩みを解決します。

結論は、3社とも全然特色が違いますから、どれに就職しても同じではありません!

東宝の強みは宝塚ミュージカルであり、他2社との違いは、
宝塚歌劇団の公演を独占していること

東映の強みはVシネマであり、他2社との違いは、
映像放送事業に特化していること(特にVシネマ業界の独占)
 
松竹の強みは歌舞伎であり、他2社との違いは、
歌舞伎公演を独占していること

数年後の配属で人生が大きく変わりますから、どれも同じだと軽率に考えてはいけません。

エントリーシートの書き方や会社の企業理念、収支情報など基本的な部分は、必ず自分で調べてください。

東宝のウェブサイトはこちら

東映のウェブサイトはこちら

松竹のウェブサイトはこちら

この記事では解説しません。

東宝

業界最大手【東宝株式会社】の強みを紹介した記事はこちら

まとめると、強み5つとは

  • 所有する映画館の数
  • 宣伝力
  • 海外ミュージカルの企画
  • アニメ映画の配給
  • 宝塚ミュージカル

東宝のウェブサイトはこちら

特徴は、宝塚ミュージカルです。

大株主は『阪急阪神ホールディングス』ですから、宝塚歌劇団とグループです。

収益の一部が入ってきます。

東宝は、東京宝塚劇場も所有してますから、現代演劇事業では格好たる地位を築いていると言えます。

日本一の映画館数をもっていますから、映像事業からと演劇事業からも、長期的な安定収入が見込まれます。

今後さらに特徴的になると考えられる点は、アニメへの投資です。

「アニメを大きな収益の柱にする」と発表しています。

企業ウェブサイトを必ず自分で確認してください。

企業理念や収支情報など基本的な部分は、必ず自分で調べて把握してください。

東映

【東映株式会社】の強みを紹介した記事はこちら

まとめると、強み4つとは

  • Vシネマの独占
  • 宣伝力
  • 教育機関や公共機関に教育映像を制作している
  • 特撮の独占

東映のウェブサイトはこちら

特徴は、Vシネマの独占です。

映像業界は2つに別れています。

Vシネマ業界とメジャー業界です。
(正式名称ではありません。)

Vシネマとは、映画館などで一般公開されない小規模な作品です。

DVDやネット配信専用の作品で、低予算で制作されて、顧客は低料金で楽しめます。

(俳優も技術スタッフも、この世界からキャリアを積み重ねるケースが多いです。)

我々プロにとって、『Vシネマ=東映』です。

一般の方にとっても同じであり、価格が安いので映画よりもさらに手軽に鑑賞できます。

つまり、東映は2つの映像業界のうち片方を独占しているのです。

元プロとして、ここが強みであり最大の特徴と言えます

企業ウェブサイトを必ず自分で確認してください。

企業理念や収支情報など基本的な部分は、必ず自分で調べて把握してください。

松竹

【松竹株式会社】の強みを紹介した記事はこちら

まとめると、強み4つとは

  • 歌舞伎の独占
  • 小津安二郎作品の配給
  • 客単価が高い(客単価とは、顧客一人あたりが払う購入金額の平均)
  • 劇場という、観光スポット(文化)をもっている

松竹のウェブサイトはこちら

特徴は、歌舞伎の独占です。

歌舞伎は、ユネスコ世界無形文化遺産に指定されているので、伝統文化の1つを独占し、商品として世界に発信しています。

日本の古典演劇事業では、不動の地位を築いていると言えます。

さらに、グッズやネット配信などの2次利用も全て松竹が間に入って収益を得ています。

現在では公演を映像で楽しめますから、必ず複数の作品を観て勉強しましょう。

企業ウェブサイトを必ず自分で確認してください。

企業理念や収支情報など基本的な部分は、必ず自分で調べて把握してください。

絶対に勘違いをしてはいけない4点

  • どれに就職しても同じではない
  • 映画監督などのスタッフにはなれない
  • ミュージカルの仕込みや運営に立ち会うことはない
  • 映画撮影に立ち会うことはない

どれに就職しても同じではない

入社して数年後の配属先が全く違う可能性があります。

新卒採用は、部門ごとに応募するわけではなく、一括採用なので注意してください。

部署や部門ごとに考えるのは転職です。

例えば、

松竹に就職が決まれば、演劇本部(主に歌舞伎)への配属の可能性が高いと予想できます。

映画配給(上映する権利の買い付け)をやってみたかったのに、全くできないことも考えられます。

各会社で事業の比重が大きく違いますから、くれぐれも混ぜて考えないようにしてください。

収益に占める事業の割合を、それぞれのWebサイトで確認しましょう。

映画監督などのスタッフにはなれない

3社とも映画やドラマ製作を行なっていますが、技術職にはなれません。

志望動機に、「将来は映画監督やカメラマンになりたい」などと書くと100%落ちます。

絶対に勘違いしてはいけません。

企画・宣伝・収支決算など、映画を商品として管理することが仕事です。

ただし、将来的にはプロデューサー(出資してくれる会社を見つける人)になることが可能な場合があります。

ミュージカルの仕込みや運営に立ち会うことはない

志望動機に、「将来は演出家になりたい」や「大道具の設計をやってみたい」などと書くと100%落ちます。

あなたの仕事は、ミュージカルのチケットを売ることです。

担当するのは、宣伝・イベントの企画・スケジュール調整・経費の精算などです。

演劇という商品を管理すること、ここを勘違いしてはいけません。

ただし、担当した演目の初日公演をお客さんとして観ることはできると考えられます。

映画撮影に立ち会うことはない

志望動機に、「俳優の芝居を演出してみたい」や「有名人の撮影に立ち会ってみたい」などと書くと100%落ちます。

演劇と同じです。

あなたの仕事は、映画のチケットやグッズを売ることです。

担当するのは、宣伝・イベントの企画・スケジュール調整・経費の精算などです。

娯楽を商品として管理し、精算または決算します。

絶対に技術職につくことはありません。

面接対策

インターネットで調べると、想定される質問がたくさん載っています。

この記事をよく読んで勉強しましょう。

細かい質問

  • 競合2社と比べて弊社の強みはなんだと思いますか?
  • なぜ他社ではダメなのですか?
  • 〇〇年後にどういう仕事をしていると思いますか?

決して嫌がらせの質問ではありません。

入社してから勘違いが発覚しないように、しっかり勉強しましょう。

よくある質問

  • 企業研究で行ったことを教えてください。
  • 学生時代に最も力を入れたことは何ですか?
  • これまでチームで成し遂げたことは何ですか?
  • 志望する理由を教えてください。
  • これまで最も頑張って取組み、成果を出した事は何ですか?
  • あなたはどのような映像作品を作りたいですか?
  • なぜ映画業界を志望していますか?
  • 入社したらやりたいことは何ですか?

映画配給会社に限らず、広く一般的な質問です。

基本的な部分もしっかり勉強しましょう。

選考フローなど基本的な情報は、必ず自分で調べて把握してください。

まとめ

東宝の強みは宝塚ミュージカルであり、他2社との違いは、
宝塚歌劇団の公演を独占していること

東映の強みはVシネマであり、他2社との違いは、
映像放送事業に特化していること(特にVシネマ業界の独占)
 
松竹の強みは歌舞伎であり、他2社との違いは、
歌舞伎公演を独占していること

全然特色が違いますから、どれに就職しても同じではありません!

違いを把握して、履歴書とエントリーシートの内容が同じにならないように注意してください。

数年後の配属で人生が大きく変わりますから、どこでもいいやと軽率に考えてはいけません。

この記事が、就活生のエントリーシートや履歴書の内容を充実させる手助けになると幸いです。

以上、「知らないと就職できない!東宝・東映・松竹の違いを比較」でした。

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