「これから自主制作映画を撮りたい」と考えている大学生は、
何から始めればいい?
YouTubeに上げるだけでいいのかな?
誰かに正当に評価してほしい
など悩みは尽きないですよね!
プロのアシスタントディレクターだった著者の経験から、YouTubeにアップすることを目標に企画と脚本から始めましょう。
大学生が注意すべき点は3つあります。
- 最初から傑作を作ろうとするな
- 芸大・映像専攻の学生を捕まえろ
- 映画業界への就活には役に立たない
初心者はYouTubeにアップすることが目標で十分ですから、出来栄えを深く考えないで「完成」させましょう。
製作資金は多ければ多いほどいいに決まっていますが、元アシスタントディレクターとして節約術もご紹介します。
【元AD直伝】自主制作映画の始め方ガイド!大学生の注意点は3つ

最初から傑作を作ろうとするな
1作目でいきなり傑作を作ろうとしないように注意しましょう。
初作品はYouTubeにアップするだけで十分です。
なぜなら、普通は失敗しますし、映像制作はとても大変だからです。
例えば、30秒CMのためにプロは撮影だけで半日〜1日かかります。
著者も経験済みです。
企画〜編集〜納品までの期間を考えれば、1〜2ヶ月以上となります。
10分の作品は80カットが目安と言われますが、80カットも撮影することは初心者では至難の業と言えるでしょう。
初作品を映画祭に出品していきなりグランプリを受賞した学生がいるではないか?と考えるでしょうが、極めて珍しい例です。
激レアなケースなので、初心者が非現実的な目標を掲げることはお勧めしません!
繰り返しですが、1作目でいきなり傑作を作ろうとしないように注意しましょう。
いきなり成功はしないと仮定すべきです。
芸大・映像専攻の学生を捕まえろ
大きな課題である「人集め」では、芸大・映像専攻の学生を捕まえましょう。
なぜなら、 撮影現場がグダグダになるからです。
例えば、あなたが芸大・映像専攻の学生ならば、映画サークルの学生に声をかけてみましょう。
あなたのご友人に映像系の専門学校生がいるなら、声をかけてみることも有効です。
SNSで募集をかけたり、映像専攻ではない学生ではダメなのか?というと、お勧めしません。
運よく人が集まっても、撮影現場がグダグダになる可能性が非常に高いです。
撮影技術の問題ではなく、作品作りへの「意欲の欠如」の問題です。
繰り返しですが、大きな課題である「人集め」では、芸大・映像専攻の学生を捕まえましょう。
映画業界への就活には役に立たない
映画業界への就活には役に立ちません。
なぜなら、映画業界にはどなたにもチャンスがあるからです。
例えば、東宝/東映/松竹の募集要項を確認しましょう。
「大学/大学院卒業見込み 全学部・全学科対象」となっています。
芸大で映像専攻ではない学生も多数応募する、ということです。
YouTubeや映画祭で評価されれば、東宝/東映/松竹からスカウトが来るのではないか?と気になるでしょうが、スカウトはきません!
なぜなら、東宝/東映/松竹には、映画監督や脚本家、カメラマンは所属していないからです。
会社の事業内容を勘違いしていますので、注意してください。
「知らないと就職できない!東宝・東映・松竹の違いを比較」の記事が参考になります。
繰り返しですが、映画業界への就活には役に立ちません。
企画と脚本から始めよう

YouTubeにアップすることを目標に、まず何から始めればいいのでしょうか?
企画と脚本から始めましょう。
なぜなら、企画と脚本が全ての始まりであり、一番難しいからです。
例えば、テーマを決めてどういう自主制作映画を撮りたいのか、という趣旨を考えます。
機材や人集めが先ではないか?と考えるでしょうが、後回しで問題ありません。
企画と脚本を考えるための人集めならば賛成しますので、まずは根本的な部分を固めないと始まらないです。
繰り返しですが、YouTubeにアップすることを目標に企画と脚本から始めましょう。
「それっぽく」見せる元ADの節約術6選

iPhoneを使う
カメラはiPhoneを使いましょう。
なぜなら、高性能カメラが搭載されているからです。
最新型でなくても問題ありません。
例えば、TVCMではiPhoneを使って映画撮影しているシーンがありますよね?
望遠レンズと広角レンズを使い分けることができますし、ピントは自動で合わせてくれます。(オートフォーカス機能)
特にiPhone 15 Pro / 16 Proシリーズは、プロ機材に匹敵すると言われています!
一眼レフやコンパクトデジタルカメラを持っているなら、そちらを使えばいいのではないか?というと、その通りです。
あなたが芸大・映像専攻の学生ならば大学からレンタルできるでしょうし、専門学校生と連携すれば、専門学校からプロ用の機材をレンタルできるはずです。
ただし、有料になったり、返却する際の点検などが手間だったりします。
繰り返しですが、カメラはiPhoneを使いましょう。
水平を合わせる
三脚を使って水平を合わせましょう。
なぜなら、ピントと水平は最重要ポイントだからです。
ピントと水平には徹底的にこだわってください!
ピントはオートフォーカスを使えばいいのですが、水平は自分で合わせる必要があります。
例えば、ネットで検索して三脚をレンタルしてみましょう。
購入するなら、メルカリなどで中古を買うことをお勧めします。
人間の目で水平は合わないのか?というと、合いません。
大画面で見ればすぐわかります。
繰り返しですが、三脚を使って水平を合わせましょう。
100均の利用
資材調達には100均を利用しましょう。
ご存知でしょうが、なんでもあるからです。
例えば、照明の代わりに白レフ(発泡スチロール)を使うなど、工夫要素がたくさんあります。
AIに代用品を提案してもらい、100均で買うという方法もあります。
カメラの明るさ(アイリス)や編集で調整すればいいのではないか?と考えますよね。
画質が荒れる原因になりますし、編集の手間が無駄に増えたりしますので、お勧めしません。
まずは完成させることが大事ですから、練習も兼ねて資材調達を経験しましょう。
繰り返しですが、資材調達には100均を利用しましょう。
音にこだわる
音にこだわりましょう。
なぜなら、音がいいだけで映像作品の出来栄えが上がるからです。
プロも音にこだわりますので、立派な作品になります。
例えば、カメラはiPhoneを使い、外付けの高品質のマイクを利用する、などです。
お金がかかるのではないか?というと、その通りです。
まずは完成させることを優先にして、マイクもiPhoneのもので問題ありません。
十分に高機能なマイクです。
次回作や映画祭に出品することを考えた場合、外付けのマイクを利用することをお勧めします。
繰り返しですが、音にこだわりましょう。
編集で強引なことをしない
編集でなんとかなると考えて、撮影をいい加減にしないように注意しましょう。
なぜなら、撮影素材そのものは編集でどうにもならないからです。
例えば、ピントと水平が合っていないのは編集で修正できません。
俳優のセリフが聞き取りにくい、画面が暗いなどの場合、編集で強引に修正しようとするとノイズが入ることがあります。
AIにやらせればいいのではないか?と考えるでしょうが、編集の都合でどこかに突然AI画像や音声を入れるとすぐわかります。
繰り返しですが、編集でなんとかなると考えて、撮影をいい加減にしないように注意しましょう。
専門学校生と連携する
専門学校生と連携しましょう。
なぜなら、あなたより技術と演出に詳しい人がいるからです。
専門学校生を通して、専門学校の機材を使用することもできるので、高価な機材を無料で使える可能性があります。
例えば、あなたのご友人に映像系の専門学校生がいるなら、声をかけてみましょう。
専門学校に直接連絡してみる方法もあります。
勇気が必要ですが、著者は専門学校生時代に他の専門学校に連絡して連携した経験があります。
向こうの事務員も学生も、映像制作に対してご理解がある方が多く、スムーズに話が進みました。
繰り返しですが、専門学校生と連携しましょう。
クラウドファンディングで費用を確保することは難しい!

費用をクラウドファンディングで集めることは難しいと考えましょう。
なぜなら、時間がかかりますし、必ずしも目標額を達成できるとは限らないからです。
返礼品も用意しないといけない場合があります。
例えば、クラウドファンディングの募集を開始したことを宣伝しないといけません。
期限を設けますから、すぐ費用が手に入るわけではないですし、期限内に目標額を達成しなければ全額返金となります。
クラウドファンディングで成功した事例はあるでしょうが、1回目で成功することは非常に難しいです。
また、自主制作映画の宣伝や撮影とは別に、クラウドファンディングの宣伝と資金管理をする人が必要になります。
初心者が少数人数で、撮影とクラウドファンディングを並行させることは非常にハードルが高いと言えます。
繰り返しですが、費用をクラウドファンディングで集めることは難しいと考えましょう。
YouTubeで十分、でも評価が欲しいなら「映画祭」一択

初心者はまず、YouTubeにアップすることを目標にしましょう。
なぜなら、初作品や2本目については、出来栄えを深く考えないで完成させることをお勧めするからです。
YouTubeにアップするだけでも大変なので、覚悟してください。
例えば、10分80カットの短編を撮影するのは非常に大変です。
気合いを入れて特殊効果を入れまくると、編集期間がどんどん長くなります。
さらに、よりたくさんの人に見てほしいと考えると、SNSを駆使した宣伝も必要です。
プロの客観的な評価が欲しいですか?
評価が欲しいなら、映画祭に出品するしかありません。
映画祭に出品する場合は、応募締切と作品の長さや書き出しフォーマットなどのたくさんの指定があるため、全て守る必要があります。
YouTubeにアップするよりもはるかに大変なので、覚悟してください。
繰り返しですが、まずはYouTubeにアップすることを目標にしましょう。
大学時代に自主制作映画を撮ろう

出来栄えを深く考えないで、まずは完成させましょう!
最初はYouTubeにアップすることが目標でいいです。
大学生が注意すべき点は3つ。
- 最初から傑作を作ろうとするな
- 芸大・映像専攻の学生を捕まえろ
- 映画業界への就活には役に立たない
「それっぽく」見せる元ADの節約術は6つ。
- iPhoneを使う
- 水平を合わせる
- 100均の利用
- 音にこだわる
- 編集で強引なことをしない
- 専門学校生と連携する
この記事が、自主制作映画を撮りたいと考えている大学生の役に立つと嬉しいです。
以上、「【元AD直伝】自主制作映画の始め方ガイド!大学生の注意点は3つ」でした。


