【東宝株式会社】へ応募するために、エントリーシートや志望動機の内容に悩んでいる方はいませんか?
- 東宝と東映とどう違うかわからない
- 事業内容はほとんど同じじゃないの?
- 競合2社と比べて強みは何か知りたい
という方に向けて
元舞台の大道具でもあり、映像業界で元アシスタントでもあった私が分析して解説します。
強みは5つ!
- 所有する映画館の数
- 宣伝力
- 海外ミュージカルの企画
- アニメ映画の配給
- 宝塚ミュージカル
プロ目線で、大学生では気づきにくい点を説明します。
企業理念や決算情報、求める人物像など誰もが調べる基本的な情報は、必ずご自分で調べて頭に叩き込んでください。
この記事では、基本的な内容は解説しません。
強みは5つ!
- 所有する映画館の数
- 宣伝力
- 海外ミュージカルの企画
- アニメ映画の配給
- 宝塚ミュージカル
所有する映画館の数(スクリーン数)
映画を東宝で配給(上映する権利を買うこと)して貰えば、大ヒットする可能性が格段に上がります。
それくらい好立地に映画館をたくさん所有しています。
製作スタッフの観点から考えると、配給先が未定の場合は最初に東宝で配給してもらうことを考えます。
映画スタッフまたはプロデューサーは
『配給=東宝』
お客様にも『映画=東宝』
という概念があり、安定的な需要と供給があります。
不動産事業ですので、競合2社が追い抜くことは極めて難しい障壁です。
宣伝力
テレビCM(コマーシャル)に強力な繋がりがあります。
東宝の大株主には「フジメディアホールディングス」と「TBSテレビ」がいます。
テレビとは広告媒体ですから、CMのために存在します。
テレビ番組はCMとCMの間にあるのです。
逆ではありません。
ここは一般の方が気づかない点です。
新作映画や新作舞台の宣伝をする、強力なルートがあります。
海外ミュージカルの企画
東宝は、特に海外ミュージカルを数多く上演しています。
ブロードウェイミュージカルの日本公演や、アニメのミュージカル(2.5次元ミュージカル)は、ほぼ東宝が主催していると考えて間違いありません。
大きなリスクが2つありますが、ヒットすれば莫大な収益をあげられます。
リスクとは、
- 劇場の予約が取れない可能性がある
- 演目の入れ替えなど、収益が全く発生しない期間が存在する
劇場の予約が取れない可能性がある
人気劇場は、予約が数年先まで取れません。
自社で帝国劇場を所有して賃貸ビジネスをしていますが、自社で公演を主催しようにも、他社の予約が埋まっている場合はすぐに予定を組めません。
収益の見込みが数年後になります。
演目の入れ替えなど、収益が全く発生しない期間が存在する
公演と公演の間に、次の作品のための準備期間がありますが、この間は収益は発生しない時間となります。
作品の規模が大きければ大きいほど、準備期間は長くなり経費がかかります。
もしも新型コロナの感染拡大で公演中止となった場合は、全て無駄になります。
しかし、大きなリスクをとる価値があるので、東宝は演劇事業に投資しています。
アニメ映画の配給
ビッグビジネスであり、長期的に安定的な収益源です。
例えば、『ドラえもん』シリーズ映画の配給権(上映する権利)をもっています。
『ドラえもん』はビッグビジネスです。
1年間で公開される実写映画のほとんどは、『ドラえもん』の収益を超えることはできません。
それほどの金額が動きます。
親は子供に見せ、将来はその子供も自分の子供に見せます。
やがてアニメは、世代間をまたいだ文化となります。
これをネット配信で行なっていますから、世界中で同じことが起こります。
今後、東宝はアニメを大きな収益の柱と定めていますので、さらにアニメ事業へ投資することが予想されます。
宝塚ミュージカル
宝塚歌劇団の収益の一部は東宝のものです。
創業者は2社とも同じ人ですし、東宝は阪急グループですし、大株主には「阪急阪神ホールディングス」がいます。
宝塚歌劇も『ドラえもん』と同じように
親は子供に見せ、将来はその子供も自分の子供に見せます。
やがて宝塚ミュージカルは、世代間をまたいだ文化となります。
歴史を作っているとも言えます。
松竹と東映との共通点
- 福利厚生の充実
- 不動産事業
- 映像事業
福利厚生の充実
3社とも充実していますので、大きな違いは見当たりません。
不動産事業
東京や京都に撮影所を所有していたり、劇場や映画館を所有していたりしますが、このあたりをエントリーシートや履歴書の志望動機に書くことは難しそうです。
私でも自信がありません。
映像事業
映画の製作・宣伝・配給・海外からの買い付け、アニメの制作と配信を行なっています。
この部分を大学生が細かく分析して、エントリーシートや履歴書に書くことには無理があります。
プロとしての経験が必要です。
商業映画の制作に関わったことがある方は別ですが、大部分の方にはできません。
転職の時に考えるべきポイントです。
各社との違い
松竹との違い
- 松竹は歌舞伎の独占
- 東宝は海外ミュージカルを数多く上演している
- 東宝は映画を海外と共同制作
こちらの記事で松竹を分析しました。
松竹は歌舞伎の独占
歌舞伎は、東宝が一切手が届かない部分です。
東宝は海外ミュージカルを数多く上演している
松竹も海外ミュージカルを主催したことはありますが、作品数は東宝が圧倒的に1位です。
すぐに思いつくミュージカルは、全て東宝が主催と考えて問題ありません。
東宝は映画を海外との共同制作
例えば、『ゴジラ』を海外と共同制作して大成功しました。
松竹にこのような強みはみられません。
東映との違い
- 東映は『映像』に特化している
- 特撮の最大手
- キャラクターショーなどのイベント開催実績は業界トップシェア
- 教育機関や公共機関に教育映像を制作している
こちらの記事で東映を分析しました。
【企業研究】東映編 強みは4つ!元アシスタントディレクターが解説
東映は『映像』に特化している
東映は、舞台演劇事業を行なっていません。
そのため、映像制作の不動産(撮影所など)と映画館などを所有して投資しています。
コロナの流行で、演劇事業を行なっている他2社は大打撃を受けました。
特に松竹は大きく売り上げが下がりました。
東映は、大打撃を受けずに、堅実な経営を続けています。
特撮の最大手
東映は、『戦隊シリーズ』や『怪獣映画』などの特撮(特殊撮影技術のこと)の制作会社として最大手です。
『ゴジラ』シリーズは東宝ですが、残る特撮映画は全て東映の配給と考えていいです。
代表的な作品が【仮面ライダーシリーズ】ですね。
一般の方々も、我々業界人も、「特撮は東映」という強烈なイメージがあり、まずは東映にオファーをかけます。
すぐに思いつくヒーローものは、全て東映が権利をもっていると考えてほぼ間違いありません。
特撮の収録は大変難しく、ハードスケジュールです。
1日100カット以上を撮ったりします。
これがいかに凄いことかは伝わりませんが、とにかく、高度な技術のノウハウをもっています。
キャラクターショーなどのイベント開催実績は業界トップシェア
特撮作品に関連したキャラクターショーやイベントも、自然とトップシェアになります。
教育機関や公共機関に教育映像を制作している
学校教育や交通安全など教育映像を制作していて、業界トップシェアです。
東宝にこのような特徴はみられません。
東宝=TOHOシネマズではない
映画館を経営する「TOHOシネマズ株式会社」は、完全に別会社です。
あなたが映画館で勤務することは、絶対にありません!
あなたの仕事は、上映権をTOHOシネマズに売り、価格交渉することになります。
勘違いしてエントリーシートを書くと100%落ちるので、注意してください。
こちらの記事でTOHOシネマズを解説しました。
東宝株式会社Webサイト
マイナビからもエントリーできます。
インターンシップ(職業体験)あり
0次選考とも言われるインターンシップ(職業体験)を募集していますから、こまめにチェックして応募しましょう。
たとえ落選しても、問題はありません。
インターンシップの参加不参加は、採用試験に影響はないと言われています。
YouTubeでも勉強しろ
Webサイト上の文字の勉強だけではなく、動画でも企業研究をしましょう。
企業説明などがアップロードされています。
全て確認しましょう。
例えば
まとめ
強み5つは、
- 所有する映画館の数
- 宣伝力
- 海外ミュージカルの企画
- アニメ映画の配給
- 宝塚ミュージカル
映像業界では圧倒的なシェアですから、必ず東宝配給の作品をご覧になったことがあるはずです。
松竹と東映との共通点は、
- 福利厚生の充実
- 不動産事業
- 映画の製作・宣伝・配給・海外からの買い付け
ですから、強調しない方が無難だと考えられます。
企業分析や研究に必要な基本情報は、必ずご自分で調べて頭に叩き込んでください。
映画業界へ就職を目指す大学生にとって、この記事がESや履歴書、面接対策の内容を充実させる手助けになれば幸いです。
以上、「東宝の企業分析 強みは5つ!元アシスタントディレクターが解説」でした。