映画監督になりたい大学生、あるいは短大生のあなた。
と就職に悩んでいませんか?
普通の職業ではないので、どうしたら進路を選べばいいかわからないし、就職支援課に聞いてもわからないですよね?
元映像業界でアシスタントだった人間として、お答えします。
王道の進路は2つ
- 卒業してから映画制やテレビ、 CMの制作会社へ就職
- 自主制作映画を映画祭へ出品する
最終的には、オリジナル作品を発表したいですよね?
経験を積んでからゆっくりと考えて作りたいなら前者です。
いきなり作りたいならば後者です。
映画監督のそばにいた、元プロとして解説します。
王道の進路2つを比較
映画やテレビ、CMなどの映像制作会社へ就職する
専門学校や大学を卒業後、映画やテレビなどの制作会社へ就職して下積みします。
スタッフとして映像制作の基礎を叩き込まれます。
大手テレビ局には、演出部がある場合があります。
希望部署に配属されるとは限りませんが、雑用をしまくって、とにかく下積みです。
欠点
費用がかかる
専門学校や芸術学部が有名な私立大学への編入は高額です。
例えば、「日本大学 芸術学部 映画学科」は712万円かかります。
大学や短大を卒業してから専門学校へ進学も可能ですが、
2年間で200〜300万円くらいかかります。
時間がかかる
下積み経験が何年かかるか想像がつきません。
ひょっとしたらできない可能性もあります。
一生に一度はオリジナルを作りたいと考えるなら、自主制作が早いです。
学生時代に映画祭へ出品
自主制作映画を発表して、監督デビューします。
映画祭は、プロアマ問わず出品できます。
もちろん、海外へも出品できますが、ハードルが非常に高いのでお勧めしません。
欠点
費用がかかる
自費とメンバーからの集金を合わせて、撮影や俳優に報酬を払うなりすると、あっという間にお金は無くなります。
その都度、自費とメンバーからの集金を繰り返すと、とんでもないことになります。
制作会社から依頼されて制作する
たとえ、最優秀賞を取るなどして認められても、オリジナル作品ばかり制作できません。
CM(コマーシャル)やミュージックビデオなどの監督を依頼されます。
制作会社にコネを作りながら、あなたのオリジナル作品を営業していくことになります。
つまり、「私のオリジナル作品はどうですか?出資してくれませんか?」と頼み込むことを繰り返します。
最終的にはフリーになる
王道以外にも方法はありますが、どんな道でも、最終的にはフリーランス(会社に所属しないフリーター)になるのが一般的です。
有名な映画監督と言えば誰ですか?
あなたが思いつく有名監督は、みんなフリーターだと考えましょう。
学部や専攻は関係ない
例えば、法学や看護、音楽専攻でもテレビ制作会社に就職できます。
この点は、一般企業と同じですので、ご安心ください。
資格も必要ないので、どなたでも映画監督になることができます。
一般企業と同じで、運転免許は必須の場合がありますので、必ずとりましょう。
合わせて読みたい記事
有名な会社とよくある勘違い
有名な会社
検索すれば簡単に見つかる制作会社をご紹介します。
他にもいっぱいあるので、学校の求人や新卒サイトで検索しましょう。
- 株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 株式会社博報堂DYミュージック&ピクチャーズ
- 株式会社シネバザール
- 株式会社共同テレビジョン
- 株式会社テレビマンユニオン
- NHKエンタープライズ
- 株式会社サムシングファン
- 株式会社ピクト
- 株式会社VECKS.
- 株式会社ランニング
- 株式会社GOEMON.
- 株式会社東北新社
配給会社で映画監督にはなれない
3大大手として有名な【東宝・東映・松竹】に就職しても、映画監督にはなれません。
応募書類に「映画監督を目指す」などと書くと、100%落ちます。
ただし、プロデューサーを目指すことはできます。
広告代理店で映画監督にはなれない
電通・博報堂・葵プロモーションなどに就職しても、映画監督にはなれません。
応募書類に「監督になって、CMを撮ってみたい」などと書くと、100%落ちます。
CM の企画や営業をするのが仕事です。
お金持ちにはなれない
有名になってもお金持ちにはなれません。
お金持ちになりたいなら、プロデューサーを目指しましょう。
プロデューサーは、資金集めが最も重い責任であり、映画という企画の最高責任者です。
どんな仕事内容?
最も責任が重い部分は、作品の方向性(要するに「演出」)を決めることです。
船で例えるなら、船長を勤めます。
作品のテーマは何であり、テーマを伝えるために演出を考えるのです。
例えば、あるシーン内で主人公がお茶を飲むシーンがあったとします。
小道具スタッフがさまざまなメーカーの、さまざまな種類のお茶を用意しています。
「監督、どのお茶にしますか?」と聞かれます。
「そんな小さな小道具なんかなんでもいいじゃないか」と思うかもしれないですが、人物設計から考えて、何を飲むかを決めなければなりません。
「なんでもいい」と絶対に言ってはいけません。
非常に緻密で厳密な演出プランが求められます。
とても重い責任のある仕事です。
でも、やりがいは最高です!
その他の例を挙げると、
- 企画構成
- 脚本作成と修正
- クライマックスの設計
- テーマ曲選び
- BGM選び
- 宣伝
など非常に多いです。
初期段階から編集や宣伝など、最初から最後まで全て関わります。
とにかく全部やる、と考えてください。
まとめ
王道の進路は2つ
経験を積んでから、ゆっくりとオリジナル作品を考えたい場合
いきなりオリジナル作品を作ってみたい場合
学歴や専攻は関係ない世界です。
特別な資格は必要ないですが、運転免許は役に立ちますので必ず取りましょう。
仕事内容で最も責任が重い部分は、作品の方向性を決めることです。
とても大変ですが、やりがいは最高です!
この記事が、「映画監督になって、自分のオリジナル作品を発表して有名になりたい!」と夢を抱き、就職を悩んでいる大学生や短大生の役に立つと嬉しいです。
以上、「映画監督になるには?進路2つを比較 あなたはどっち派?」でした。