映画が大好きな大学生の中で、「どうやったら映画プロデューサーになれるかな?」と疑問に考えている方
映像業界にいた、元プロの私が解説します。
就職に失敗しないために、勘違い3点も説明します。
王道は、【配給会社もしくは制作会社へ就職し、アシスタントから出世する】です。
詳しくみていきましょう!
- 映画プロデューサーになるには?
- 必要な学歴や資格は?
- 映像制作を専攻していなくても問題ない理由
- 勘違い3点
- まとめ
映画プロデューサーになるには?
どういう方法があるのか?
- 配給会社もしくは制作会社へ就職し、アシスタントから出世する
- アシスタントを経験後、転職する
配給会社もしくは制作会社へ就職し、アシスタントから出世する
新卒の募集職種にプロデューサーは絶対にありませんし、いきなりなれるわけはありません。
必ずアシスタントの下積みが必要になります。
なぜなら、仕事量が凄まじく、高度な技術が求められるからです。
仕事内容をみていきましょう。
どんな仕事か?
- 企画を考えるorもらう
- 制作するかを判断する
- 著作権の購入などの法務
- スポンサーを集めて予算を作成する
- 監督や脚本家を選抜する
- 俳優を選ぶ
- 映画のエンドロールを作成する
- 完成作品を確認する
- 配給会社と交渉
- 収益の決算
などなど多技にわたり、映画の企画から商品へと導き、公開終了して決算するまで制作を統括する最高責任者です。
エンドロールに出てくる、【製作総指揮】とはプロデューサーを指します。
劇場で公開用の完成作品を【ファイナルカット】と呼びます。
そういう名前の映像編集ソフトがありますよね?
余談ですが、他にあるのかというと
- ディレクターズカット版
- エディターズカット版
などがあります。
DVDのサブタイトルで見たことありませんか?
最高責任者ですから、
- 幅広くコミニュケーションをとる能力
- お金を管理する能力
- 全体の進行管理をする能力
などが求められ、非常に難易度が高い職種です。
こんな難しい仕事を、新人に任せるわけがありません。
アシスタントプロデューサー(AP)または制作進行(全部部署の中で末端のスタッフ)として経験を積み、徐々に出世する。
これが王道なのです。
アシスタントを経験後、転職する
中途採用ならば、いきなりプロデューサーとして応募が可能です。
「就職先で下積みをしてもなかなか活躍できない」と感じたら転職を考え、プロデューサーとして応募しましょう。
当然それなりの経験が必要です。
どういう会社を選べばいいのか?
例えば、有名な会社を挙げると
映画配給会社
- 東宝
- 松竹
- 東映
制作会社
- 葵プロモーション
- 大手テレビ局
などが有名です。
その他にもたくさんの制作会社があります。
どれくらい稼げるのか?
国内最大級の配給会社である東宝を例
中途採用の募集職種
【正社員】映像プロデューサー/アシスタントプロデューサー(映画/テレビ/配信)を確認すると、
年収700〜1200万円です。
もちろんこれは、新卒ではなく『最終的には』です。
1000万円前後は稼げると考えていいでしょう。
新卒の「総合職一括採用」では、初任給230,600円となっています。
プロデューサーになるメリットとデメリット
メリット
最初から最後まで全てに関わることができる!
これができるのはプロデューサーと監督だけです。
撮影に関わる人は撮影(プロダクションと言います)だけ。
編集に関わる人は編集(ポストダクションと言います)だけ。
こんなことが普通です。
大変やりがいに溢れる職種であると言えます。
デメリット
全責任を負う
無事に映画を公開しても、作品がつまらなくて不評だったり、売り上げがいまいちであった場合の責任は、プロデューサーにあります。
最悪の場合は、2度と仕事がまわってこないことも考えられます。
最高責任者であるがゆえに、大成功する可能性と大失敗するリスクが隣り合わせなのです。
必要な学歴や資格は?
資格はありません。
学歴は4年制大学卒業または大学院卒業が求められます。
応募条件に明記してありますし、就職先として相応しい会社は大企業であり、人気企業だからです。
- 東宝
- 松竹
- 東映
- 葵プロモーション
- フジテレビ
- TBS
- 日本テレビ
- 朝日テレビ
映像業界を目指す人ならば、知らない人はいません。
必ず無事に大学を卒業してください。
ただし、学部・専攻は問いません。
映像制作を専攻していなくても問題ない3つの理由
- 応募条件に明記してあること
- 私自身は経営学専攻だったこと
- プロデューサーの経歴を調べると、映像制作を専攻していない場合も多い
応募条件に明記してあること
気になる会社の応募条件を確認しましょう。
マイナビなどの新卒エージェントの欄にも明記してあるはずです。
私自身は経営学専攻だったこと
私は映画専攻などではないですが、アシスタントディレクター兼アシスタントプロデューサーみたいな形で映像業界で働きました。
実体験から保証します。
プロデューサーの経歴を調べると、映像制作を専攻していない場合も多い
有名なプロデューサーを何人か知っていますが、学歴を調べるとバラバラです。
「日本大学 芸術学部 映画学科 卒業」みたいな人は珍しいです。
学部・専攻は関係ありません。
勘違い3点
- 演出はしない
- 広告代理店へ就職してもプロデューサーにはなれない
- 配給会社や制作会社に所属してもディレクター(監督)にはなれない
演出はしない
これは映画監督の仕事です。
俳優を選ぶ権利がありますが、芝居に口出しはしません。
ここがディレクター(監督)との違いです。
広告代理店へ就職してもプロデューサーにはなれない
- 博報堂
- 電通
広告代理店の2トップですが、募集しているプロデューサーは違うプロデューサーです。
マーケティングやデジタルコンテンツなどの分野ですので、くれぐれも間違えて応募しないでください。
配給会社や制作会社に所属してもディレクター(監督)にはなれない
ディレクターにも興味がある、または途中でやりたいことが変わって映画監督を目指したくなった場合は、配給会社や制作会社へ就職する意味はありません。
くれぐれも間違えて応募しないでください。
まとめ
映画プロデューサーになるには、【配給会社もしくは制作会社へ就職し、アシスタントから出世する】ことが王道です。
仕事量が凄まじく、難易度も高いので
必ずアシスタントの下積みが必要になります。
就職先を探す際は、間違えて広告代理店を探さないように注意しましょう。
就職活動中の大学生で、「映画制作を統括してみたい!」という方の役に立てば幸いです。
以上、「映画プロデューサーになるには?勘違い3点も解説」でした。